【天・気になるシゴト】上空の空気をかき回す?防霜ファンが大活躍

日本茶の製造過程やお茶のいれ方までお聞きしてきました、日本茶のおシゴト。お茶製造販売会社・法師園の法師励(ほうし つとむ)さんに、本企画恒例「5つの質問」にお答えいただきました!

法師励さん

① お仕事の中で天気はどの程度重要ですか? 10段階評価でお願いします

摘採(収穫)時期の霜の情報は一番大切なので10段階10ぐらい知りたいです。特にお茶の新芽(萌芽(ほうが))してから寒さにあうと摘採が遅れたり品質が落ちたりしますので、摘採直前に霜の害にあうと摘採できなくなります。それに、高級茶は雨が降ると摘採作業ができません。

② 天気について、何を・一番・どのタイミングで、知りたいですか?

時期的に摘採時の早い年は4月下旬から始まって5月下旬までですが、4月の下旬からの霜害が売り上げに一番かかわりますのでその時期の気温が特に知りたいですね。

③ 天気はいつどんなときにチェックしますか?

かなり小まめにチェックはしています。1ヶ月前、3ヶ月前に発表される長期予報もかなり気にして見ていますが、霜が心配な時期は茶業研究所からの連絡を頼りに対策をします。熊谷に気象庁の計測所(熊谷地方気象台)があり、そこから茶業研究所を経て、この一帯の茶農家に色々な情報が配信されるんです。

④  天気によって苦労していること・工夫していることは?

やはり「霜」ですね。茶葉にとって霜は深刻な事態です。防霜ファンを導入し、霜の対策をしています。これは、設定温度以下になるとファンが回って、上空の温かい空気を作物に届けてくれるんです。

長期予報が余り当たらない、というか、アテにできないと言うことでしょうか。例えば昨年(2018年)の夏のように、あんなに猛暑になると外の仕事は捗りませんし、作業している人の体調管理も大変になります。極端な気象については前もってわかれば計画をしやすくなるんですけどね・・・。

⑤  今までで一番「天気に悩まされた」ことは?

ある意味、天気はどうしようもないというか、諦めざるを得ないことのほうが多いので、これといって悩まされた事はないですが、数年前に高級茶の手摘みをしていた時に雨が降り始めて作業が続けられなくなって困りました。予報では降らないことになっていたんですけどね。太平洋側に急な低気圧が発生して雨が降ったようです。あの時は、悩んだというよりは困りましたね。


なるほど、お茶栽培そのものだけでなく、屋外でする作業に関しても天気は気になりますよね。法師さん、ありがとうございました!

取材協力:法師園

(アール)