毎年この時期に発表される「花粉の飛散予測」。その内容を見てため息をつく方も少し安堵される方も、とにかく「花粉」に苦しめられている人にとっては気になるニュースですよね。さて、ずばり!2019年の飛散予測は…
西日本や北陸で昨年より増加、飛散開始は例年並み
去年より増加との予測の地域の皆さま、早い段階からできる準備を…!それでは、過去十年平均と、2018年実測、2019年予測のグラフをご覧ください。
2019年花粉予測グラフ
仙台や東京では昨年からみると半分くらい、一方金沢や福岡では昨年よりも少し多い予測となっています。この予測に関する気象条件と飛散の見通しについては以下の通りです。
▼気象条件と飛散見通しについて
2018年の春は、東北南部から関東、東海にかけて花粉数が極めて多くなりました。この原因はヒノキ花粉が記録的に多くなったことによります。
スギもヒノキも花粉を飛ばすのは雄花ですが、この雄花が成長を始める時期は、スギが6月から7月上旬なのに対し、ヒノキは6月上旬の短い期間になります。一方で、6月は春に受粉した雌花が種子をつくる時期にもなっており、雄花が多く花粉量が多くなった年は当然雌花も多く、栄養分は種子の方に多く回されてしまいます。このため同じような気象条件が2年続いても花粉が多くなった翌年は雄花が少なくなり、花粉が減少します。
2018年の6月から7月は全国的に日照時間が長く猛暑になりましたが、今秋に実施したスギの雄花調査では、18年春に花粉が多くなった東北から関東南部、東海にかけてはスギ雄花が前年より少なく、一方で18年春に比較的花粉量が少なくなった北陸から九州にかけてはスギ雄花がかなり多くなっていました。
これらの状況から、2019年春のスギやヒノキの花粉量は、北陸から西日本にかけて18年春より多く、東北から関東、東海にかけては昨シーズンより少なくなる見込みです。(ただ、少ないと言っても花粉数は多くの地域で3,000個を超える見通しです)
▼飛散開始時期について
スギの雄花は秋以降の低温と日照時間の短縮により休眠に入り、一定期間の低温暴露によって休眠から覚醒し、開花の準備に入ります。休眠期間である11~12月に低温であれば休眠覚醒がやや早まり、逆に高温の場合はやや遅くなり、休眠覚醒後の1月以降は高温になるほど開花(飛散開始)が早まることになります。
2018年の11月末から12月にかけては全国的に気温が高くなり、スギ雄花が休眠から覚めるのは例年よりやや遅くなりますが、2019年の1月は暖冬傾向で気温が高くなる見込みです。これらを総合的に考慮しますと、スギ花粉の飛散開始はほぼ例年並みになると予想されます。なお、ヒノキ花粉の飛散開始はスギ花粉よりおよそ1か月後になるでしょう。
情報提供:一般財団法人気象業務支援センター 村山貢司 氏
なるほど…気になるのは「ただ、少ないと言っても花粉数は多くの地域で3,000個を超える見通しです」という文言。グラフを見る限り、広島では花粉が他の地域と比べて随分少なそうなので、花粉のシーズンは広島に滞在するのも花粉対策のひとつになるかもしれませんね!
(アール)