金星は「明けの明星」や「宵の明星」と親しまれており、太陽系の中では、大きさや密度などがもっとも地球に良く似た惑星で、地球の姉妹惑星と表現されることもあります。この金星が12月は日の出前の南東の空に輝いています。
画像:国立天文台HP
12月4日の明け方、新月から3日目の細い月が金星の横に並びます。月と金星のコラボレーションは何度かありますが、この時期はその上さらにおとめ座の1等星スピカも近くにあり、なかなか目を惹く眺めとなるでしょう。
夜が明けきらないで空がまだ暗いうちに月をよく見てみると、月の影の部分もうすく見え、丸い月の一部分だけが光っているな、ということを強く感じられるかもしれません。
このような現象は「地球照」と呼ばれます。双眼鏡で観るとはっきり見えると思いますが、肉眼でも地球照の中にクレーターの模様を認識できるかもしれません。
▼地球照とは
太陽から受けている光が地球で反射して月を照らすことによって起きる現象です。肉眼で地球照を観られるのは、新月から3日目くらいまでの間。それ以上になってくると、明るい部分がまぶしくて、うっすらとした影を観るのは難しいといえるでしょう。日本では冬の期間に観察しやすいといわれますが、これは冬期は三日月が高い位置に見えること、空気が乾燥して澄んでいるためです。
冬の早起きはちょっと辛いかもしれませんが、毎日変わっていく空の月や星の動きを観るには絶好のシーズンです。澄んだ空に輝く星や月を眺めて、一日のスタートを良い時間に充ててみてはいかがでしょうか。
(アール)