【旬のサカナ】釣り師の腕が試される!? 高級魚シマアジの意外な弱点とは

庶民的な印象のアジとは、名前も存在もかなり違う「シマアジ」。姿かたちも美しく、数種類いる高級魚の中でも特に羨望の的「高嶺の花」と呼ばれるには、いくつか理由がありそうです。

■釣り上げるのがすごく難しい!?
重量感があり、強い「引き」のあるシマアジは、釣り人に大人気のサカナ。けれど、手応えの強さと反して「弱い」特徴もあり、釣り針を飲み込んだ後にうまく釣り上げないと口の部分がちぎれてしまうとか。

また、「視力が良い」といわれるシマアジは、ハリス(釣り糸)の太さを見分けてしまうため、ここにも細心の注意が必要…と、色々とハードルが高いだけに、大きなシマアジが釣れると至上の喜びを味わえそう!

ちなみにシマアジは側線(魚の身体の側面にあって、水中や水圧などの変化を感じることができる器官)が発達しており、外敵や仲間が泳いで近づいてくるときの振動にとても敏感です。夜間には身体を少し前に傾けて泳ぎ、外敵が近づいてくるのを警戒しているとも言われます。

■シマアジの名前の由来は?島or縞
島(シマ)に多く分布することから、という説と、身体に走っている黄色い縞(シマ)からという説の二通りあります。とはいえ縞といっても何本もあるわけではなく、体側の真ん中に一本だけ。しかも年齢を重ねていくとこの縞自体がぼやけてくるという特徴もあるようです。

身体の形がカツオに似ているからか、鹿児島では「カツオアジ」という地方名で呼ばれることも。大きなシマアジに対しては「オオカミ」なんてあだ名がついています。これは英語の名前「Jack」に由来するもので、威勢の良い若者の俗称だそう。釣り上げるときの重量感や強さからこんなあだ名がついたのかもしれませんね。

シマアジの名前に関して、もうひとつ。生物には学名というラテン語の名前がついています。シマアジは「Pseudocaranx dentex」と書きますが、これは“最高に美味しい”を意味する言葉だそうです。

日本はもちろん、世界でも「美味」と絶賛されるシマアジの旬はこれから。養殖の技術が進んでいるそうで、「高嶺の花」ではなくなる日が近いかも?

(アール)