【天・気になるシゴト】野外イベント企画者がホンネで回答!天気とフェスの関係

天気が気になりそうなオシゴトや、天気との意外な関係などをお聞きする本企画。第一弾は「THE CAMP BOOK」運営の株式会社リペアのイベント事業部「遊楽亭一座」の座長・樋口大貴さんにお話を伺っています。

【天・気になるシゴト】まったく新しいコンセプトの「キャンプフェス」

本企画恒例の「5つの質問」について、樋口さんにお答えいただきたいと思います!

① 野外フェスの企画・運営として、天気はどの程度重要ですか?10段階評価でお願いします。

うーん。10がマックスだとすると、8ですかね。でもこれはイベントが始まる前の評価です。始まってしまえばすごくハードルが下がります。雨が降るか降らないかわからないものに対して雨養生や施工をしないといけないからです。
例えばステージに屋根が必要かどうか、地面がコンクリートでない場合はぬかるみができるとか。降るか降らないかで、事前にやる準備にすごく影響が大きいですからね。もっと言えば当日もそうですが施工中の雨が特に厄介なんですよ。施工中の雨はトラックでわだちができますからね。施工と撤収に関しては天気の重要度はものすごく高いです。

当日の雨について、お客さんのホスピタリティに関しては、今回会場内にお風呂を設置します。最悪、雨で身体が濡れてもリセットできます。あと、雨が降ると滑りやすいとか、楽器や機材が濡れたら困るというのもありますね。もちろんお客さんにとっては晴れたほうがよいと思いますが、晴れすぎるとこれまた別の問題が…熱中症とかいろいろです。ちょうどいい感じの雲が出るのがベストですね。

② 天気について、何を・一番・どのタイミングで、知りたいですか?

開催前は雨と風です。先ほどお話したように、施工や撤収、当日のホスピタリティをどうするかなど、準備も含めてスケジュールを組まなくてはならないので。
始まってしまえば、雨よりも風とカミナリですね。風の影響は大きくて、お客さんのテントやステージが飛ばされると大変ですし。
カミナリに関してはもう、それこそ人命に関わることなのでものすごく気になります。というか、注意しています。

③ 天気はいつどんなときにチェックしますか?

カミナリや風のこともあるので、当日は張り付きの天気係が常に天候状況を監視しています。レーダーを見て状況を運営に伝えてもらい、お客さんへのアナウンスや誘導など、必要な対応を決めていきます。

④ 天気によって苦労していること・工夫していることは?

工夫していることは、お客さんに雨や直射日光でも快適に楽しく過ごしてもらえるコンテンツを用意することです。お子さんがいらっしゃる家族連れの参加者がとても多いので、建物がしっかり併設されているスキー場を会場に選んだというのもあります。避難場所・逃げ場所という意味だけではなく、「雨が降っても楽しめるイベントである」ということを大事にしています。今年は「テントサウナ」やりますよ。今ひそかにブームになっているんです。

苦労は、そうですね…やはり事前準備に関してでしょうか。自然のことなのでどうなるか本当にわからないストレスがあります。開催中止のジャッジが一番の苦労といえば、そうですかね。一番大きく分岐するのは、1分でもやるのかやらないのか。始まったら(天候の状況で)どこで止めるか、ですね。天気は、特に台風なんて予報と違うこともままあるので、いや、本当に困ります。

⑤ 今までで一番「天気に悩まされた」ことは?

うちは本業が内装関係なので、施工に関してはすごくたくさんありますが、フェスで言うと、去年ロケハンがほぼできなかったこと。会場がスキー場なので、雪が溶け始めるのって大体4月頃なんですが、去年は4月の後半にどか雪が降ってロケハンの予定が2回ダメになりました。雪がなくなってくれないと地面の状態が確認できず、判断できないことがものすごくあるので本当に困りましたね。

■THE CAMP BOOK の魅力について

「お父さんってテントをたてるのが得意だったんだ!」や「この子はこんなことに興味があったんだ」など、キャンプを通して家族の知らない一面を発見したり、親子で同じアーティストにハマったり。キャンプという非日常の空間でこそ発見できることが、なにかしらあるのもキャンプならではの魅力ではないかと思います。

出演アーティストの皆さんはもちろん、キャンプ全体を楽しんでいただきたいと思って企画し、その場をクリエイトしていきたいと思っています。感度の高いクリエイティブ業界の方が多く携わっているので「空気感」には絶対的な自信を持っています。
参加してくださった方々に、なんかセンスいいよね、とか、すごくいい雰囲気に包まれたとか、「THE CAMP BOOK」の雰囲気が好き!だから大事な人を連れて行きたい、仲間に会えるから今年も行こう!と思っていただけるように。…まだ2年目なのですべては届けきれていないですが、毎年こういうことを積み上げて「THE CAMP BOOK」を育てていけたらと思っています。

取材協力:株式会社リペア/THE CAMP BOOK

今年の開催は6月9日(土)~10日(日)@神立高原スキー場
詳細はこちら▼
https://the-camp-book.com/