【なだれに注意】気温上昇で危険度アップ

昨年(2017年)3月末に発生したなだれ事故によって、多くの尊い命が犠牲となりました。日本は国土の半分以上が「豪雪地帯」となっており、毎年全国で大雪による事故が発生しています。その中でも最も危険な現象の一つがなだれです。多いときには年間でおよそ100件のなだれが発生し、多くの犠牲が出ることがあります。特にこの時期は急な気温の上昇や、各地で雨量が多くなることもあり、雪崩が発生しやすい条件がそろってしまう状況になります。

なだれから身を守るにはどのようなことに注意をしたらよいのでしょうか。なだれの特徴や発生しやすい条件などの基礎知識を見につけて、ご自身や大切なご家族が被害に遭わないよう警戒してください。

▼表層なだれの注意ポイント

表層なだれは、冬の寒い時期に発生しやすく、発生地点から遠く離れた場所まで被害の出ることがあり大変危険な現象です。雪の滑り落ちる速度は、時速100~200kmにも達するとされ、事前に発生する予測が難しいという特徴があります。

▼表層なだれが発生しやすい条件
・積雪の多い場所でさらに大雪となるとき
・気温が低い日
・氷点下の気温が続き、風の強いとき

▼全層なだれの注意ポイント

全層なだれは、春先などの一時的に寒さが緩んだ時期に起こりやすいのが特徴です。時速40~80km程度と自動車並みのスピードで落下するため注意が必要です。

▼全層なだれが発生しやすい条件
・冬の間一時的に気温の上がる日
・雨が降ったあと
・斜面の雪にひびや、盛りあがった場所があるとき

■なだれの被害に遭わないためには(表層・全層なだれともに)
・傾斜が35度~45度の斜面
・木がまばらにしか生えていない場所
・高い木が少なく、低木林や草地

なだれの発生しやすい条件のときは、なだれが発生しそうな場所には近付かないようにしましょう。

(アール)