【暦のコト】この時期に蒔く種には、芒(のぎ)がある

ゲリラ豪雨、停滞前線、大気が不安定…突然の雨が降ったりカミナリが鳴ったり、季節がどんどん夏に近づいていますね。二十四節気では「芒種(ぼうしゅ)」に入ります。
ところでこの「芒」の字、なんのことだかわかりますか?稲や麦のように「穂」のある植物の穂先にある針のような突起物のことで「芒」は(のぎ)と読むそうです。「芒種」とは、この芒をもっている植物の種を蒔く時期なんですね。

 

田植えは日本のお米中心の食生活とは切っても切れない深い関係があります。米の実りや種植え(田植え)に合わせたお祭り(御田植祭)なども各地で開催され、田んぼの神様に豊作を祈ります。中でも有名なのは「磯部の御神田」(三重県志摩市・6月24日)、「香取神宮御田植祭」(千葉県香取市・4月第1週目の土日)、大阪の「御田植神事」(大阪市・6月14日)で、日本三大御田植と呼ばれています。

 

芒種の時期の七十二候

・蟷螂生(かまきりしょうず)・・・カマキリが生まれるころ
・腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)・・・ホタルが飛ぶころ
・梅子黄(うめのみきばむ)・・・梅が熟す頃

2番目の「腐草為蛍」とはどんな意味だろう?と調べてみたら、昔の人は枯れた草がホタルになると表現していた、という意味の記述が多くありました。ホタルは西と東で光の点滅の速度が違うとか? 真っ暗な中、ふわ~りふわりとやわらかい光が飛ぶ様子は本当に幻想的です。
ちなみにこの光の点滅は、求愛活動でもあるようです。動物や昆虫たちの愛の活動はさまざまですが、光を放つ生物はその8割が海の中の生物とされるそうです。

 

湿気が多く蒸し暑くて不快な時期ではありますが、幻想的な風景に癒されてみるのもよいかもしれません。


こんにちは、アールです。稲や麦のあのシュッと伸びたものを「芒(のぎ)」と呼ぶなんて初めて知りました。自然にも日本語にも、興味が一段と深まってしまいました。暦は農作物や自然と密接な関係があるのだと改めて思います。さて次はいよいよ、一年のちょうど半分の時期にやってきます。