真珠が貝の中で育つことを初めて知ったのは小学生の頃。アニメや絵画で、美しい女性が大きな二枚貝の中にいるのを見たりした頃で、貝の中にはキラキラしたステキなものが入っている!と信じていました。大人になってからは「貝といえば、中にあるのはすばらしく美味しいもの」という認識に変化(進化)しました。
中でもこの時期(早春)に旬を迎えるホタテは人気が高く、農林水産省が発表している収穫量を見ると、平成27年度においては牡蠣の16.4万トンを大きく上回り24.8万トンもの水揚げ高でした。ホタテ、確かに美味。貝柱だけでも絶品な貝類はホタテを置いて他にないのでは?
ホタテの名前の由来を調べていると、かなりびっくりな事実が判明しました。貝っていえば、海底にどすっと横たわっている、もしくは波に揺られてちょろっと流される、あるいはヤドカリ的な存在が中に住んでいてチョコチョコ歩いて移動する、というイメージだったんですが、なんとホタテは「海水を噴射式で噴出し、その反動(勢い)で2m程度をすばやく移動する」らしいのです! 「帆立貝」と書くのはつまりこの移動時に舟の帆を立てたように殻を立てている姿から、という説が濃厚のようでした。
他の貝との圧倒的な違いは、貝柱にも。他の二枚貝は、たいていの場合貝柱が2つあるのに対してホタテは大きい貝柱が1つだけ。通常の二枚貝は前と後にあるらしいのですが、ホタテは前側のものが退化して大きなひとつの貝柱になっているとか。ちなみにホタテはかなりデリケート。塩分濃度がさがると弱り、淡水に漬けると1分程度でダウン。温度にも敏感で涼しい場所で育ち、水温が高いと成長が止まったり死滅したりすることも。近年の温暖化でホタテがいなくなってしまいませんように。
こんにちは、アールです。貝柱、美味しいから2つあってくれたらいいのに、なんて思ってしまうのは私だけ?