春の七草(はるのななくさ)=草が七種?
暦でいう「小寒」は、寒の入り。一年のうちもっとも寒い時期の始まりとされています。この後「大寒」がやってきて「立春」へ。春までの最終期間ということでしょうか。
この時期にいただくと良いとされているのが「七草粥」です。この「七草」全部ご存知ですか?パックに全種類揃った物がスーパーなどで売られているので、中身をそれほど気にしたことが無かったのですが、調べてみて「へえ~」があったのでご紹介したいと思います。
▼春の七草ラインナップ
せり
なずな
ごぎょう(ははこぐさ)
はこべら(はこべ)
ほとけのざ(こおにたびらこ)
すずな(かぶ)
すずしろ(だいこん)
え!カブとダイコン?全面的に「草」っぽいものが占めるのかと思いきや、根菜もラインナップに入っていたのですね。
その昔、日本では年の初めに雪から顔をだした新芽を摘む風習があり、これが「七草」のはじまりという説もあります。立春=春を迎える前の、いかにも春を待つにふさわしい風流な文化ですよね。
七草については、かの清少納言も『枕草子』の中で触れています。
~七日の日の若葉を六日に誰かが持ってきて、と始まるのですが、名前がわからない草について子どもに名を聞かれ、その場にいた大人たちがお互いに顔を見合わせて…云々、と、なんとものどかなエピソードが描かれており、そのおっとり加減に優雅な気持ちになります。
「風情」や「風流」、忙しい現代だとちょっと遠のいてしまいがちですが、暦の意味や背景を紐解いていくと、それらをちょっぴり取り入れられた気分になれますね。
(2017年1月5日 12:00更新)
こんにちは、アールです。
実家に住んでいた頃は毎年1月7日に七草粥が出てきて、これを食べると「冬休みが終わっちゃう」というちょっと残念な印象の区切りメニューでした。自然豊かな場所で過ごしていたので、その頃の「七草」は土の匂いがする、まさしく「草」でした。
今ではスーパーでパック売りのものを買ってきて、お粥にバサッと入れてお腹に流し込んで(!)しまって、一つ一つの草の名前なんて考えたこともなかったです。
草の名前に関する清少納言の描写がなんともいいなあと思う今日この頃。今年の七草粥は、いつもより少し風味豊かにいただくことができそうです。