【旬のサカナ】明太子の親の名は“ソウ”ではなく“トウ”なんです!スケトウダラ

「スケトウダラ」のことを今でも「スケソウダラ」と思っている人がたくさんいる、そのワケは、情報源がラジオ放送しかなかった時代の言い間違いや、あるいは聞き間違いだったといわれています。

スケトウダラは、現在はかまぼこやハンペンなどの原料として大いに活用されていますが、かつては卵巣=明太子と精巣=白子がメインで、身は捨てられてしまっていた時代もあります。同じ「タラ」の名を冠するマダラは鍋の定番として身が食べられているのに、なんとなくかわいそうな気になってしまいますよね。

と思って調べてみると、実はこの「タラ」という名称がついたのは、明治時代の終わりごろからとのこと。「タラ」という名前がついていれば奨励金が出たから、という説がありました。それ以前は単に「スケトウ」「スケトオ」などと呼ばれており、この名になった理由としては、漁に人手がかかり「助っ人」が必要だったから。…これらのエピソードを見てみると、なんとなく「翻弄された」サカナのように感じてしまいますね。

2~5度の冷たい海域に住み、オキアミや小型の魚などをエサとして生きています。寒い時期は水深100~200mのところで活動していますが、海水温が上がってくるともっと深い場所に移動します。孵化して5年程度で成魚となりますが、成魚が幼魚を食べる=共食いをするとの説が!なんともシュールですね。

すり身を使ってできるねりものは、おでんや鍋料理に欠かせない食材ですし、明太子はご飯のオカズ、白子はお酒のおつまみに…この時期はとくに身近な存在のスケトウダラ。加工したもののほうがよく知られていますが、新鮮なものが手に入ったら鍋にすると美味しいそうですよ。

(アール)