極寒・ドカ雪 ~2018年の気象を振り返る⑤

猛暑・台風・豪雨の記憶のほうが近いために、忘れられがちかもしれませんが、2018年の年明け早々は記録的な寒さや大雪のニュースが続きました。これからさらに深まっていく冬の前に「年初めの冬」を振り返ってみましょう。解説は長期予報や週末の天気を担当しているみやっちです。


なぜ極寒になったの?

2017年秋以降にラニーニャ現象(南米ペルー沖の海面水温が低い状態が続く現象)が発生していたのですが、ラニーニャ現象が発生すると上空の偏西風(亜熱帯ジェット気流と寒帯前線ジェット気流)が日本付近で南へ蛇行する傾向があり、その影響で昨冬は強い寒気が西から回り込むように日本付近に流れ込むことが多くなり、西日本中心に平年を下回る厳しい寒さとなったのです。

▼2018年冬の平均気温平年差(2017年12月~2018年2月)

画像:気象庁HP

記録的な低温に

西日本では1986年(昭和61年)の冬以降の32年間で最も寒い冬となり、関東地方も1月25日(木)に東京都心で-4.0℃を観測(48年ぶりの冷え込み)、1月26日(金)にはさいたま市で観測史上最低となる-9.8℃を観測するなど記録的な冷え込みとなりました。氷点下の環境に慣れていない西日本や東日本の平野部では水道管の凍結や破裂等による水漏れが相次ぎました。

また、今年の2月に韓国平昌(ピョンチャン)で開催された冬季スポーツの祭典では観客やスタッフの万全の防寒対策が印象的で、東アジアの広い範囲で厳しい寒さに見舞われていたことが伺えます。

記録的大雪で立ち往生 そして規制の動き

西日本を中心に寒気が流れ込む形で冬型気圧配置がたびたび強まり、日本海側を中心に大雪となり普段雪の少ない九州地方や四国地方の太平洋側でも数cmの積雪を観測しました。
2月5日(月)~7日(水)にかけてはJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)(※)による雪雲が北陸地方に断続的に流れ込み、福井市では1981年(昭和56年)の「五六豪雪」以来37年ぶりに積雪が140cmを超え、福井県と石川県を結ぶ国道8号線では約1500台の車両が立ち往生。物流にも大きな影響が出てしまいました。
大雪に起因する車の立往生は社会問題となり、先日(12/14)、全国13区間の国道・高速道路を対象に大雪が予想される際のタイヤチェーンの装着を義務付ける改正省令が公布・施行されました。

(※)JPCZ(日本海寒帯気団収束帯)とは
大陸から吹き出す北西の季節風が朝鮮半島北東部の標高の高い山(白頭山)で一度分流し再び合流(収束)するエリア。日本海上で風と風がぶつかり合って雪雲が発達し、その雪雲が日本海側の同じような地域に断続的に流れ込むと局地的に大雪がもたらされます。

首都圏も大雪 早期退社の動きも

関東や東北地方の太平洋側も1月22日(月)から23日(火)にかけて大雪となりました。雨or雪の予想が難しい「南岸低気圧」の通過によるものです。首都圏も22日昼頃から雪が降り出し、夜遅くには東京都心で積雪23cm(4年ぶりの20cm越え)を観測。スリップ事故や転倒によるけが人が相次ぎ、交通機関も大きく乱れました。この日もそうでしたが、荒天時の帰宅困難を避けるべく多くの企業で早期退社が実施されるようになりました。

シンシンと雪が降り積もる横浜市内(1月22日夜)

今シーズンも大雪にご注意を!

今年はエルニーニョ現象(南米ペルー沖の海面水温が高い状態が続く現象)が発生していて、昨年とは違い暖冬傾向にありますが、強い寒気が南下するタイミングでは大雪となる日もありますので、特に車を運転される際は最新の気象情報や冬季道路情報を確認するようにしてください。また、除雪作業中の死亡事故(除雪機の巻き込み、側溝への転落、低体温症等)が残念ながら毎年のように発生しています。作業される際は細心の注意を払って頂きますようお願い致します。

最後に、気象情報の伝え手として大雪に備えるべく、いつ、どこで、どれくらいの雪が予想されるかを確実にお伝えできるよう、気象予測の経験をさらに積んでいきたいと思います。


みやっちさん、ありがとうございました。
夏の暑さがすごすぎて、昨年末から今年の初めにかけてどんな感じだったか、忘れてしまっていましたが、そういえばものすごい雪が降りましたよね。この冬にも注意が必要とのこと。皆さまくれぐれも注意・準備なさってください!インフルエンザの脅威もじわじわと迫ってきております。手洗い・うがいを徹底し、栄養も休養もしっかりとってくださいね。

(アール)