太陽系の惑星の中で最も太陽に近く、そして最も小さな惑星・水星。太陽から受けるエネルギーは地球の6.7倍もあります。大気がなく、太陽が当たっている時間は400度前後、夜はマイナス100度~150度まで冷え込んでしまいます。自転の周期は59日、衛星は1つも持たず、太陽の周りを88日かけて回っています。
普段は高度が低いため水星を見つけるのはかなり難しいのですが、今月7日~24日の間は高度が10度を超えるため、観察しやすくなります。水星観察のチャンスはそれほど多くはありません。今年でいえば3月に日の入り直後、10日間ほど見られる時期がありましたが、今回は日の出直前。特に最大離角前日の14日は今年一番の高度に達しますので、ちょっと寒いかもしれませんが是非早起きして南東の空を見上げてみてください。
画像:国立天文台HP
▼観察の仕方
日が出る前、東側が地平線まで見えるような視界の良い開けた場所で水星を探してみましょう。見つけやすい金星や木星を目印にして探すのも一案です。夜が明けてしまうと、冬とはいえ一気に明るくなりますので、暗いうちから探し始めることをおススメします。
双眼鏡は肉眼よりも簡単に水星を見つけることができますが、絶対に注意していただきたいのが「双眼鏡で太陽を見ないこと」です。この点についてはこれまでもコラムで何度か書かせていただきましたが、くれぐれもご注意ください。
▼水星と木星が接近
12月の半ば頃から西方最大離角を過ぎた水星と木星が近づきます。水星が西方最大離角を迎えた後(15日頃から)、水星は高度を少しずつ下げていきますが、木星は高度を上げていきます。2つの惑星は22日の明け方に最も接近します。仲良く並んだ水星と木星、そしてちょっと離れた上方にある金星。太陽系の星たちの束の間の共演を楽しんでください。
(アール)