初雪と初冠雪ってどう違うの?

冬の到来を示す気象現象の代表は、やはり初雪や初冠雪でしょう。今年の初雪は遅い…という声が聞かれています。ニュースなどでも、地域によっては「遅い初雪」の記録を更新した場所もあるようですね。ところで「初雪」のニュースと「初冠雪」のニュースが別であることに、気づいていらっしゃいましたか?今日はこの違いについてまとめてみたいと思います。

気象庁による初雪と初冠雪の定義

なお初雪とは、その年の寒候期に初めて降る雪のこと。また初冠雪とは、夏が終わった後に、山麓の気象官署から見て、山頂付近が初めて積雪などで白く見えることを言います。

気象条件によっても異なるものの、通常、標高が100m高くなると気温は0.5℃~1℃ほど低下します。標高の高い山地は、平地よりも一足先に冬を迎えるんですね。

ちなみに、初雪と初冠雪の観測日は、1月から12月までの1年間ではなく、前年8月から当年7月までの寒候年を基準にして発表されます。つまり、寒候年における2018年は、2017年8月から2018年7月まで。今後、2018年内に観測された初雪と初冠雪は、寒候年においては2019年のものとして発表されます。

富士山の初雪と初冠雪の平年値は?

富士山の山頂付近は、夏場でも気温が氷点下になることもあるため、日本では最も早い時期に初雪が観測されます。その平年値は9月14日。ただし、この平年値は10年以上に渡って更新されていません。なぜなら、2004年に富士山測候所に自動観測装置が設置されて無人化した結果、初雪の観測が終了したためです。その後も各地の測候所が無人化または廃止されていることから、以前と比較すると、初雪を観測する地点は減少しています。

一方の初冠雪に関しては、付近にある有人の気象台から山頂付近を目視で観測するため、富士山においても現在も発表されています。初冠雪も初雪と同様、富士山で最も早い時期に観測されると思いきや、実はそうではありません。初冠雪の平年値は、富士山では9月30日ですが、北海道の旭岳では9月25日。日本の最高峰である富士山よりも、北海道の最高峰である旭岳の方が早い時期に観測されます。標高だけでなく地域の差もあるんですね。

(アール)

 

※参考資料

気象庁:雨・雪について
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq1.html

富士山 NET(山梨日日新聞社・山梨放送):富士山の初雪はいつ? 初冠雪とは?
https://www.fujisan-net.jp/data/article/1086.html

甲府地方気象台:霜・氷・雪の初日および終日
http://www.jma-net.go.jp/kofu/menu/siryo_sonota_top.html