浸水・冠水が発生、避難準備はできていますか?

自宅付近には川がないから大丈夫。そんな過信をしていませんか?川がなくても浸水や冠水は起こります。都心部では道がコンクリートに覆われているため、大雨が降ると排水機能が追い付かず浸水や冠水が発生することがあるのです。

また、大雨が降ると、「浸水・冠水に注意してください。」といった注意喚起を耳にする機会が増えると思います。この二つの現象にはどのような違いがあるのでしょうか? 浸水・冠水がおきたときにどんなことに注意をすればよいかについて解説します。

◆浸水
定義:住宅などが水に浸かること。
※床上浸水、床下浸水、低地への浸水といった表現をします。

◆冠水
定義:田畑や道路などが水をかぶること。

■浸水・冠水がおきてしまったら
◆自宅を守るために
床上・床下浸水が起こると、1階のトイレや浴室、洗濯機などの排水溝から水が逆流することもあります。土嚢(どのう)や水嚢を便器の上や排水溝の上に置くことで、逆流を防ぐことができます。

◆命を守るために、正しく避難してください
~避難時の注意事項~
大人も子どもも水深が膝より高い位置に達すると水に流される危険が高まります。そのため浸水深が膝よりも高くなる前に避難することが重要です。また、避難の際はできる限り複数人で行動することも大切です。お年寄りや小さなお子様がいるご家庭では自治体からの避難情報を待たずに、早め早めに準備の行動を心がけることも重要です。

冠水した道路では、普段見えているマンホールの蓋や用水路、側溝が見えなくなってしまっているため、足を滑らせたり用水路などに落ちてしまう可能性があり、大変危険です。
冠水した道路を歩くときは、普段見慣れた道でも油断せず、細心の注意を払う必要があります。長い棒や傘などを持ち、道を探りながら一歩一歩ゆっくりと歩くようにしましょう。

~運転しているとき~
道路冠水した道を運転した場合、車のエンジンが停止し、水圧で扉を開けることができず立ち往生してしまうケースも想定されます。アンダーパスや、道路がえぐられている電車ガード下の道路といった、いわゆるスリバチ状の道路に水たまりが発生している場合は、絶対に入らず、引き返しましょう。

■大雨の際、絶対にやってはいけないこと
・増水した川や用水路などを見に行くこと
・田んぼや畑を見に行くこと
・橋のそばに行くこと
様子を見に行きたくなる気持ちがあっても絶対に近寄ることはやめましょう。大雨によって隠れている側溝に足をとられたり、橋が壊れて流される危険があります。不用意な外出は避け、安全第一で行動する判断をしてください。

毎年のように発生する大雨の災害。自分には関係ないと思うことがあるかもしれません。しかし、いつどこで何が起こるかわからないのが災害です。災害が発生する前に、避難場所の確認、もしもの時の連絡手段、避難グッズの準備などご家族で話し合ってみてはいかがでしょうか?