自然の神秘、光のカーテン…それを表現する言葉は数あれど、多くの人が「一生のうちに一度はこの目で見てみたい」と口にする不思議な空の現象・オーロラ。冬のオーロラシーズンを前に「オーロラハンティング」として観光客に人気の高い「モイモイ号」を運営されている株式会社ツムラーレコーポレーション 北欧トラベルさんを訪問し、マネージャーの川澄さんにお話を伺いました。
株式会社ツムラーレコーポレーション 北欧トラベル・川澄さん
■オーロラはどこに行けば見られるのでしょうか?
「オーロラベルト」という言葉をお聞きになったことがありますか?地球の北緯60度〜70度(南緯60度〜70度も)のエリアは磁場が強くオーロラが発生しやすいとしてこのように呼ばれています。アイスランドやフィンランド・スウェーデン・ノルウェーなどの北欧、アラスカ・カナダなど北米がこのエリアに属する地域が多く、オーロラ観賞ポイントになっています。
もちろん、この範囲外でもオーロラが観測された記録はあります。その時の状況(条件)などもいろいろありますが、やはりこのオーロラベルトの下(範囲)の都市を目指されるのが良いかなと思いますね。とくに北欧は20時~21頃から1時頃までがオーロラ発生の時間帯にあたり、ちょっと夜更かしする程度で生活時間帯からそれほど無理なく観賞することができます。もう一点、北欧がおススメなポイントとしてはメキシコ湾流が流れている関係で、比較的寒さに耐えやすいことでしょうか。もちろん防寒はしっかりする必要がありますが、北欧の寒さは東京や他の場所で感じる寒さとは少し質が違うようですね。
写真:(c)hiroyuki taniguchi
■オーロラが見える条件としては、どのようなものがあるでしょう?
必ずしも100%とか確実に、ということは申し上げられませんけれど、オーロラ観賞に必須の状態としては「晴れていること」「暗いこと」ですね。暗さに関してはやはり、他の光に邪魔されないほうがより観賞に適しています。オーロラは上空90km~600kmくらいの高さで発生しています。飛行機が飛んでいる高度がおよそ10km程度ですから、それよりも遥かに上空です。地上からオーロラまでの間に雲があると“出ているのに見えない”ということになるんです。
■ なるほど「天候」が重要なんですね。
そうなんです。弊社で運営している「モイモイ号」は、ロヴァニエミ(ヘルシンキから飛行機で1時間程度北の街。サンタクロースの街としても有名)からバスで30~40分離れた観賞ポイントのうち、その日発生しやすいポイントを選んでお連れしています。現地のスタッフは毎朝天気情報をチェックし、オーロラに関する情報機関などにも連絡をして、その日最適な観賞スポットを見極めます。
■それは大変そうですね。
お天気ばかりはどうしようもありませんので、事前に「100%必ず見える!ということは言えません」とご説明するんですけれど、皆様の希望を乗せたバスですからね。現地のスタッフは情報とにらめっこして判断しています。
■オーロラはどのように見えるものなのでしょう?
一瞬として同じようには見えないと申しますか、そのときの状況や条件によって見え方もかなりバリエーションがあると思いますが、色に関していうとオーロラは発生している高さによって色が違って見えるんです。高いほうからピンク色、紫、緑で、光の波長などが関係しているようで、ピンク色のオーロラが出るのはとても珍しいですね。
地上から肉眼で観ると白っぽくて「あれ?」って意外に思われる方も多いです。最初はわかりづらいかもしれませんが、慣れてくると動いている様子などもわかるようになります。肉眼で白く見えていても写真に撮ると緑色に映るんです。でもやっぱり色のついたオーロラを肉眼で見たいですよね。
写真:(c)hiroyuki taniguchi
川澄さん、ありがとうございました。たしかにグリーンやピンクなどの色がわかるオーロラが動いているのを見ると、感動もひとしおなんでしょうね!次回はオーロラにまつわる誤解や、意外!?な事実をお聞きします。
取材協力・写真提供:株式会社ツムラーレコーポレーション 北欧トラベル
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