【防災・雨】猛烈な雨って、どんな雨のこと?

2018年は「平成30年7月豪雨」など大きな被害のあった「雨」が記憶に残りました。ニュースなどでも「数十年に一度のこれまでに経験したことのないような」といった、異常事態を知らせる言葉が使われました。1時間に○○ミリの~といわれてもなかなか想像がつかないかもしれませんが、雨の強さと降り方についてのおおよその目安は下記のような段階に分けられていますので参考にしてください。

① 1時間の雨量(mm):10~20
雨の強さ(予報用語):やや強い雨
人が受けるイメージ:ザーザーと降る
人への影響:地面からの跳ね返りで足元が濡れる

屋内(木造住宅を想定):雨の音で話し声がよく聞き取れない

屋外の様子:地面一面に水溜りができる

② 1時間の雨量(mm):20~30
雨の強さ(予報用語):強い雨
人が受けるイメージ:どしゃ降り
人への影響:傘を差していても濡れる
屋内(木造住宅を想定):寝ている人の半数くらいが雨に気づく
屋外の様子:地面一面に水溜りができる

車に乗っている場合:ワイパーを早くしても見づらい

 

③ 1時間の雨量(mm):30~50
雨の強さ(予報用語):激しい雨
人が受けるイメージ:バケツをひっくり返したように降る。
人への影響:傘を差していても濡れる

屋内(木造住宅を想定):寝ている人の半数くらいが雨に気づく

屋外の様子:道路が川のようになる

車に乗っている場合:高速走行時、車輪と路面の間に水膜が生じブレーキが利かなくなる。(ハイドロブレーニング現象)

④ 1時間の雨量(mm):50~80
雨の強さ(予報用語):非常に激しい雨
人が受けるイメージ:滝のように降る(ゴーゴーと降り続く)
人への影響:傘は全く役に立たなくなる。

屋内(木造住宅を想定):寝ている人の半数くらいが雨に気づく。
屋外の様子:水しぶきであたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなる。

車に乗っている場合:車の運転は危険。

 

⑤ 1時間の雨量(mm):80~
雨の強さ(予報用語):猛烈な雨
人が受けるイメージ:息苦しくなるような圧迫感がある。恐怖を感じる。
人への影響:傘は全く役に立たなくなる。
屋内(木造住宅を想定):寝ている人の半数くらいが雨に気づく。
屋外の様子:水しぶきであたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなる。
車に乗っている場合:車の運転は危険。

■1時間に50ミリの雨とは、どのような雨でしょう?

雨量に関しては「1時間に○○ミリ」という表現が使われています。が、それがいったいどれくらいの量なのか?ということは、なかなか想像することができません。
この「1時間に○○ミリ」というのは、雨水が別の場所に流れることなくそのままたまる状態で(実際は色々な条件・状態が考えられますが)「1時間に雨水が50mmの高さまでたまる」規模の雨、ということになります。


このように書いてみると「へえ、たったそれっぽっち?」と思われるかもしれません。傘を広げたときの面積がおよそ1平方メートルなので、1時間傘をさして雨の中に立っていたとすると1リットルサイズの牛乳パックが50本分、傘の上に溜まる…という感じです。
とても傘を差し続けていられませんよね。それにそんな狭い範囲にこれだけの量の雨水が落ちてくるということは、広い範囲で同じ状態になる=その水が全部集まる…水害をもたらすほどの水が地域にあふれる、ということになるわけです。

「激しい雨」「非常に激しい雨」という言葉が聞こえてきたら、避難を意識し始めたほうがよいでしょう。

参考・画像出展:気象庁HP
参考URL:リーフレット「雨と風(雨と風の階級表)」