【熱中症対策】脱水状態に対して「経口補水液」がよいのはなぜ?

連日の異常な気温の高さにより、熱中症などの症状で救急搬送される人が急増。救急隊員の方もひっきりなしに出動しているために、休憩する時間も取れない…など、今夏は「熱中症」のニュースが多くなっています。

熱中症の対策に関しては、ライフレンジャーコラム「異常な猛暑で熱中症多発!昼間や高温だけじゃない!熱中症の怖さとは…」でもお伝えしていますが、今日は「水分の摂り方」に注目してみたいと思います。

水分を摂ることが必要とはいえ「水だけではダメ!塩分も一緒に!」とか「急にたくさんの水を飲んではダメ」などいくつか注意すべきことがあります。ではどうすればよいのでしょう。

日本救急医学会が発表している「熱中症 診療ガイドライン 2015」を見ると、予防治療に関する項目の中に、経口補水液のことが書いてありました。そこで、この中で紹介されている「経口補水液 OS-1(オーエスワン)」を販売する株式会社大塚製薬工場さんにお話を伺いました。

―― 熱中症対策になぜ経口補水液がよいのか?その理由や根拠などを教えていただけませんでしょうか。

熱中症は、体から水とともにナトリウムなどの塩分も失われている脱水状態でもあるため、速やかな水・塩分の補給が必要です。適切な水・塩分補給により脱水状態が改善されることで、汗をかいたり、血液を皮膚表面の血管に多く流したりしやすくなるため、体の表面から熱を逃がして体温を下げやすくなります。
OS-1は、電解質と糖質の配合バランスを考慮した経口補水液で、軽度から中等度の脱水状態の方の水・電解質を補給・維持するのに適しており「消費者庁許可 個別評価型 病者用食品」の表示許可を受けています。

世界保健機関(WHO)が提唱する経口補水療法の考え方に基づいた飲料で、脱水状態に失われている、身体に必要な成分(ナトリウムなどの塩分)を水と一緒に速やかに補うことができます。

―― 効果的な経口補水液のとりかたについて、具体的にはどのくらいの量を摂ればよいのでしょう?

およその目安量は下記になります。脱水状態に応じて適宜増減してお飲みください。

・学童~成人(高齢者を含む):500~1000mL/日
・幼児:300~600mL/日
・乳児:体重1kg当たり30~50mL/日

熱中症の症状があるような場合は、早急に脱水状態を改善する必要がありますので、無理のない範囲でゴクゴク飲んでいただいても構いません。
一方、感染性腸炎などで嘔吐がある場合は、一度にたくさん飲むと嘔吐を繰り返すことがあるので、初めはゆっくりとちびちび(小さなお子さんであればスプーンで一口ずつなど)飲んで4時間以内に不足分をお飲みになり、その後は嘔吐の度に嘔吐量と同量をお飲みいただくと良いと思います(小児急性胃腸炎診療ガイドラインより:日本小児救急医学会)。

一口サイズの製氷皿で凍らせて一口ずつ召し上がっていただいても構いません。ただし、大きな容器で凍らせたものを解かしながら飲むと、成分に偏りがでるので、完全に溶かしてからお飲みください。また、ペットボトルのまま凍らせると、キャップが外れたり容器が破裂したりすることがありますので、別容器に移すなどしてください。また、OS-1は温めて飲んでも大丈夫です(沸騰させるのはNG)。(なお、OS-1ゼリーは物性が変わってしまいますので、温めたり凍らせたりすることは避けてください。)
詳しくはOS-1オフィシャルサイトの「よくあるご質問」ページをご覧ください。

画像:株式会社大塚製薬工場


なるほど!温めて飲んでも良いとは意外でした。確かに寒気がするときや、冬期に脱水症状をおこしてしまったときなど、冷たい水分はなるべく避けたいですもんね。
巷では「水○○mlに対して塩分○○g …」など、経口補水液の代わりになるものを自分で作る方法(レシピ)なども紹介されていますが、具合の悪いときにそれを自分ではかって作るのは大変ですし、かといって手作りのものは作り置きして長期保存しておけないし、材料がすぐそこにあるとは限りません。公的機関からも推奨されているものを利用する、事前に準備しておけるものを利用するのが「便利で安心」ですよね。

取材協力:株式会社大塚製薬工場

https://www.otsukakj.jp

(アール)