【天体観測】今年最も小さく見える満月の皆既月食

スーパームーン、ブルームーン、レッドムーン…月にはさまざまな呼び名がありますよね。とりわけ月が地球に近い位置にあり、大きく見える「スーパームーン」は何かと話題になりやすく、人気も高いようです。
が!大きく見えるときがあれば、小さく見えるときもある。7月28日の満月は、今年一番小さく見える満月で、しかも「皆既月食」が起こります。

■どれくらい違う?大きく見えるときと小さく見えるときの差

画像:国立天文台HP

大きい・小さい、というのはあくまで「見え方」の問題で、月の大きさが変わっているわけではありませんが、なぜこのような現象が起きるのでしょう?

地球の衛星である月は、地球の周りを公転しています。月の軌道は楕円形なので、地球と月との距離は常に同じではありません。また、月の軌道は太陽や地球などの重力を受けて微妙に変化します。

実際は上の図のように並べて比べることができないので、その差はなかなかわかりにくいかもしれませんが、月の見かけの大きさは、地球に最も近づいたときは大きく、遠いと小さくなります。最も大きな満月は最も小さな満月に比べて、14%も視直径が大きく、30%程度明るく見えます。

■小さな満月の皆既月食

1月31日以来、半年ぶりの皆既月食です。月のそばには地球に接近中の火星が明るくまぶしく光っています。東京からは下の図のような見え方をします。

画像:国立天文台HP

皆既食の始めは明け方の4時30分頃で、月は欠けたまま沈んでしまうため、再び満月の姿を見ることはできません。東北地方より西の地域ではかろうじて完全に欠けた月を見ることができるかも、といった状態です。

月食の詳しい時刻と日本の主な都市におけるその時の月の高度、さらに月が沈む時刻については下記表を参照ください。

夏休み期間中ということもあり、超早起きしても睡眠不足は昼寝でリカバーできそうですが、昼間だけでなく、夜も暑さが猛威を振るっております。くれぐれも熱中症には気をつけて観測なさってくださいね。

(アール)