【天・気になるシゴト】テレビの番組制作をする上で、とっても大事な才能とは

花火師さんも「花火を映す事に関して、抜群に巧い」と大絶賛するテレビ東京の番組『独占生中継 隅田川花火大会』。制作に長年関わっていらっしゃる、番組のアシスタントプロデューサー・水野亮太さんにお仕事と天気の関係を伺いました!

水野亮太さん

① 番組のアシスタントプロデューサーとして、天気はどのくらい重要ですか?

花火の中継に関しては「10」ですね。打ち上げがあるかないか、天気ひとつで決まってしまいますから。2013年は少しだけやりましたが、もしあれが中止になったり順延無しで、って直前のタイミングで決まると、準備していたものが全てゼロになるので、かなり左右される仕事と言えると思います。

② 天気の何を一番、どのタイミングで知りたいですか?

2〜3日前に、当日どのくらいの降り具合になるのかを詳しく知りたいですね。当日は、とくに本番直前までに、具体的な天気のスケジュールのようなことが正確にわかると良いと思います。例えば1時間後に雷雨になるとか、特に最近は急変することが多いですし。雨や晴れだけでなく、強風や雷雨でも中継ができなくなってしまいますので、その辺りのことも詳しく知りたいところです。

いわゆる通常の天気予報とは別に、間もなくこのタイミングでこうなりますよ、ということがリアルタイムに見えてくると、こちらも対応がしやすいですね。1時間後の中継に必要なものや、気をつけるべきことを準備することができるので。

③ 天気はいつどんなときにチェックしますか?

頻繁にチェックしますよ、それこそ起きたときも寝る前も現場に着いたときも、移動中も結構な頻度で観ています。

私は仕事上では比較的晴れ男だったので、花火中継の番組に関わる以前は、実は天気をあまり気にしたことはありませんでした。逆にプライベートの旅行のときくらいですね、気にしたのは。他の番組でロケに出るときは一応チェックはしますが、微妙な天気だなと思う予報もあるけれど、大体私がロケに行くともつんです。

2013年のあのときも、打ち上げ始める前くらいに冷たい風が吹いてきたな〜、降りそうな気がするな…と少し思いましたが「晴れ男だから大丈夫か」と。(笑い)
そのあと、さらに冷たい風がふいてきてド~ッと、きてしまったんですよね。

④ 天気によって苦労していること・工夫していることはなんですか?

晴れ男とは自負していつつ、あのときのようにいきなり雨に降られるといやなので、折りたたみ傘は常に持ち歩いています。花火大会の日は猛暑のときもありますので、冷凍みかんをお弁当に添えたりとか、暑さをしのげるものをどう取り入れようかと考えたりします。

⑤ 今までで一番「天気」に悩まされたのは?

他の方も多分同じことをおっしゃっていると思いますが、それはまったく2013年のあの日ですね。他の番組やロケだと雨が降っていても続行できるので、スケジュールに多少変更があったとしても、問題なく進行はしていきます。

でも花火中継だけは、花火が上がらないことには撮るものがなくなってしまうので、かなりざわつきますね。それでもどんなときでも、現場は粛々と進行していくしかないんですけれども。

あの日は現場の室内にいて、モニターで様子を見ていました。強い雨音を聞きながら各所に電話をかけていましたね。カメラがどんどん死んでいくんですよね。突然の豪雨だったので間に合わなくて何台も壊れてしまいました。

逆に晴れでも、工夫する事は多々あります。当日は炎天下で朝8時くらいからスタンバイしているので、晴れて気温が高くなると早めに飲み物を補充して回るとか、みんなが倒れてしまわないよう気を配ったり注意喚起をしたり。

私は今アシスタントプロデューサーという立場で、出演者さんのフォローや、番組の制作を調整する役回りがメインの仕事になっています。そして私も昔担当していましたが、制作進行という、許可取りをしたり、カメラの設置に関して地元住民の皆様や行政と調整したり、400個の弁当をどうやって運ぶか?ということをする仕事をフォローしたりもします。このお弁当も、中継が順延になると発注し直すタイミングも難しいんですよ。遅れると段ボール箱で部屋が半分埋まってしまいそうな量が、そのまま届いてしまいますからね。


『独占生中継 隅田川花火大会』
テレビ東京 2018年7月28日(土)夜6:30~8:54
※順延の場合は翌7月29日(日)夜6:30~8:54に順延

番組HPはこちら↓

http://www.tv-tokyo.co.jp/hanabi/


「晴れ男」であることも、テレビマンになる重要な要素と才能かも!と思ってしまいました。平成を締めくくる花火大会…どうか晴れてくれますように!水野さん、どうもありがとうございました。

取材協力:水野亮太さん(テレビ東京)