【天・気になるシゴト】渋滞予報士がホンネで回答!天気と渋滞予報の関係

天気が気になりそうなオシゴトや、天気との意外な関係などをお聞きする本企画。前回に続いて、NEXCO東日本関東支社の5代目渋滞予報士・外山敬祐(とやま・けいすけ)さんに「5つの質問」についてお聞きします。

① 渋滞予報士さんのお仕事の中で天気はどの程度重要ですか? 10段階評価でお願いします

難しいですね。渋滞予報の的中率は大体8割くらいで、2割は外しているんです。当てることが目的ではないとはいえ、外れてしまう2割の原因については、渋滞予報を見てある程度の方が行動変化(渋滞の時間を避けていただいたこと)していただいたこともあると思いますが、事故や天気の影響で渋滞のカタチが変わってしまうことも大きいんです。

そういう意味だと天気は渋滞予報士にとって天敵みたいなところがあります。天気は予測を崩してしまうファクターになるので、重要度はすごく高いと思います。天気の情報は渋滞予報にとってはノイズなので、徹底的に除去するということが極めて重要になります。とすると重要度は8といったところでしょうか。

② 天気について、何を・一番・どのタイミングで、知りたいですか?

自然現象がとても影響するお話をさせていただきましたが、やはり開花時期がとても気になりますね。特にこの時期は、国営ひたち海浜公園の「ネモフィラ」の見ごろがGWの渋滞と密接な関係にあるため開花情報などは特に気になります。ほかには、紅葉の見頃や関越道近辺のスキー場の雪情報など。こうした情報が2~3ヶ月前に正確にわかるとありがたいですね。

③ 天気はいつどんなときにチェックしますか?

GW、お盆、年末年始には「渋滞予報ガイド」を作って大々的に発表しますが、その1ヶ月前が記者発表なんです。大体2ヶ月前くらいには予測の見直し作業をしますので、そのときが一番重要なチェックのタイミングかもしれないですね。

④ 天気によって苦労していること・工夫していることは?

人と天気の行動についての関連性でしょうか。すごく奥深く難しい部分ですね。
たとえば、条件として「日曜日には雨の予報」があるとします。土曜日の朝から雨が降っていたとしたら出かけないけれど、降り始めが日曜日なら、とりあえず土曜日は出かけて、っていう人と、日曜日が雨の予報だからこの週末は出かけるのをやめておこうという人に分かれたりしますよね。

過去データから理論上では予測できますが、実際はどうしてこうなるんだろう?ということが多々あります。潮干狩りと潮の満干についてもこうした試行錯誤のなかから導きだされたひとつの結論で、予測自体も日進月歩ですね。常にいろいろな情報にアンテナを立てて、渋滞と関係性の高い出来事、現象を探し精度をあげていっているところです。

⑤ 今までで一番「天気に悩まされた」ことは?

やっぱり「ネモフィラの開花時期」かもしれないですね。もちろん道路の状況が変わったことによって、人の動きも変化がありますので。われわれの仕事は渋滞を「当てる」ことではないんですが、メディアに取り上げられ多くの方がその情報に注目してくださって「渋滞を避けていただく」という意味では結構効果がありました。とはいえ、渋滞予報を発表しているからにはその「信用度」も大事ということもお話させていただきましたが、なんともジレンマではありますね。この時期はさまざまなことが気になります。

外山さん、ありがとうございました。GWのお出かけの際には、ぜひ「渋滞予報ガイド」などを参考にして、少しでも快適な移動を!

取材協力:NEXCO東日本

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NEXCO東日本公式 渋滞予報士による渋滞予報&おでかけガイド「ドラぷら」
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