7月6日から降り続いた記録的な大雨「平成30年7月豪雨」が西日本の広範囲を襲い、気象庁から「土砂災害特別警戒」が発表されました。今も各所で被害が広がり続けています。「今まで大丈夫だから、今回も大丈夫」ではなく、何十年に一度あるかないかの事態です。大量の雨が降り続いた後は土砂災害の危険が高くなりますので、くれぐれも情報収集と早めの行動を心がけてください。
日本の国土には傾斜が急な場所が多いため、他国よりも土砂災害が発生しやすい環境にあります。土砂災害は一瞬にして尊い命や貴重な財産を奪っていく恐ろしい災害で、発生すると避難する時間はほとんどありません。雨が続いたり地震が発生すると、土砂崩れの危険性が高くなりますのでさらに注意が必要です。
■危険な場所・避難先を知っておきましょう
土砂災害の被害を防ぐためには、必要な情報を入手しておく必要があります。国土交通省が発表している「各都道府県が公開している土砂災害危険箇所と土砂災害警戒区域」に、自宅や勤務先などが含まれていないか確認しておきましょう。
写真提供:一般財団法人 消防防災科学センター(http://www.isad.or.jp/)
土砂災害の可能性がある場所に自宅や勤務先などがある方は、豪雨や長雨などの際、危険が迫る前に避難しなければなりません。気象庁が発表している「土砂災害警戒情報」を確認するようにしてください。該当する地域の土砂災害警戒情報が発表されていたら、とにかくすばやい行動を!とはいえ、土砂災害は自然現象が原因であるため、その発生を事前に予測することは困難です。では何を契機に避難すればいいのでしょうか。
■土砂による災害の特徴
土砂災害とは、豪雨や長雨、地震などを原因としたがけ崩れ、地滑り、土石流による災害のことを言います。それぞれの特徴についてまとめました。
<がけ崩れ>
がけ崩れとは、都市周辺の台地の急斜面や人家周辺の切り土斜面から土砂が崩れ落ちる現象のことで、最近では特に都市周辺の新しい住宅地でのがけ崩れによる災害が増加しています。
大雨や長雨で地中にしみ込んだ水分により土地の斜面が不安定になって発生しますが、地震によっても起こります。突如起こる、スピードが速いのが、がけ崩れの特徴です。
■こんなサインが出たら要注意!土砂災害の前兆とは?
土砂災害が発生する際、前兆となる現象が見られる場合もあります。以下のような現象に気付いたら、すぐに避難場所に移動しましょう。
*がけ崩れの際には、湧き水の増加や濁り、小石の落下、がけに発生する亀裂など。
*地滑りの際には、井戸水の濁り、地鳴りや山鳴り、地面に発生する亀裂など。
*土石流の際には、河川の濁りや水位の低下、山鳴り、流木や転石の音の発生など。
ただし、夜間や雨量が多い場合など、これらの前兆に気付きにくいことも考えられます。また、土砂災害が発生する際、必ずしも前兆となる現象が見られるわけではありません。
被害を防ぐためにも、日ごろから付近の土砂災害危険箇所などを調べておき、気象庁が大雨警報を発令した際には、さらに雨量が増えることを見越して、早めに避難するようにしましょう。
<<参考>>
▼各都道府県が公開している土砂災害危険箇所と土砂災害警戒区域
http://www.mlit.go.jp/river/sabo/link_dosya_kiken.html
▼土砂災害警戒情報
http://www.jma.go.jp/jp/dosha/
▼土砂災害警戒判定メッシュ情報
https://www.jma.go.jp/jp/doshamesh/
▼国土交通省ハザードマップポータルサイト
https://disaportal.gsi.go.jp/index.html