天気の解説は毎日、身近にあふれていますよね。でもときどき「あれ?」と思うことってありませんか? 実は思っていたイメージと違っていた、なるほどそういう意味だったのか!などなど、ちょっとわかりにくい気象の専門用語について掘り下げてみたいと思います。天気予報を聞いたとき、見た時に、正確に理解できて対策ができるよう、参考にしていただけたら幸いです。第一弾は「時(とき)」に関する用語です。
「曇り 時々 雨」と「曇り 一時 雨」この違いって、なんなの?
ライフレンジャー トピック編集部に在籍している気象予報士に聞いたところ、この質問が結構「よくある質問」とのこと。ちなみに「曇り のち 雨」こちらに関しては、曇ってそのうちに雨が降ると想像つきますよね。「一時(いちじ)」「時々(ときどき)」「のち」について解説させていただきます。
気象庁HPを見ると、この3つの用語に関して下記のように記されています。
■一時
現象が連続的に起こり、その現象の発現期間が予報期間の1/4未満のとき。
■時々
現象が断続的に起こり、その現象の発現期間の合計時間が予報期間の1/2未満のとき。
■のち
予報期間内の前と後で現象が異なるとき、その変化を示すときに用いる。
うーん、わかるような、わからないような。
「一時」と「時々」の文章を見ると「連続的:断続的」の違い、「合計時間」の有無、「予報期間の1/4未満:1/2未満」の違いがわかります。予報の考え方として「予報対象期間」があります。ここでは24時間・0時から24時までを1日とする予報として、この先を書かせていただきます。
そうすると…
「雨が連続して降っているけれど、6時間未満で止む」場合は「一時」となり
「雨が断続的に降っていて、6時間以上12時間未満で止む」場合は「時々」になります。ですが、ここで
「雨が断続的に降っていて、13時間未満で止む」場合は「時々」と書く対象が変わり「雨時々曇り」となります。
また「時々」には別のパターンがあります。
「雨が連続的に6時間以上12時間未満降る」場合です。ずっと降り続けているのに「時々」になるとは!ですね。以上のことを図にするとこんな感じです。
※ こちらについては、1日(24時間)予報が基準です。お昼に発表される予報ですと、12時〜24時が対象となり、1/4以上1/2未満が「3時間以上6時間未満」となりますのでご注意ください。
※ 「時々」の「連続的」と「断続的」については、
「連続的」・・・・・ 現象の切れ間がおよそ1時間未満。
「断続的」・・・・・ 現象の切れ間がおよそ1時間以上。
このような基準が設けられています。これは「気象官署以外での現象の確認の難しさを考慮したものである」とされています。
いかがでしたか?「一時」と「時々」について、なんとなく把握していただけましたでしょうか。上図の右下「曇り時々雨 その②」が、「時々」扱いになるとは…。この違いがわかると、一日の行動に役立てられそうですね。
(アール)