【旬の魚介】脱皮回数30回以上!幼少の姿はまるで別の生物?

その名を聞けば「高級」「豪華」「贅沢」というような言葉が頭に浮かぶ「イセエビ」。見るからに堂々とした立派な見た目。美しく透き通った弾力のある身は歯ごたえも良く、日本ではもちろん世界でも絶大な人気を誇る食材で、イギリスでは女王の名を拝したメニューもあるほど。寒くて波が荒れる頃が一番味がよいといわれています。

大きくなるまでに30回以上も脱皮する!?
孵化したばかりのイセエビは「フィロソーマ」と呼ばれます。親のイセエビとはまったく違う様子で、これがイセエビになるとは想像がつかないほど。この状態のまま300日程度かけて30回もの脱皮を繰り返して3cmほどの大きさになり「プェルルス」と呼ばれる幼生になります。「プェルルス」になるとイセエビらしい形に近づいてきて、それから約7日前後で再度脱皮し、イセエビの形になります。

英語にはあって日本語にはない・・・?
エビは「歩行型」と「浮遊型」に大きく分けられます。イセエビは歩行型、サクラエビは浮遊型として区別されます。英語では歩行型を「Lobster」、浮遊型で大きいものは「Prawn」、小さいものは「Shrimp」と明確に区別して表記します。日本には「海老」「蝦」など漢字がいくつかありますが、あまり明確な表記の区別はないようです。

満月の夜はダメ?
イセエビは夜行性で、昼間は岩の下など陰になるところに隠れています。夜になるとエサを求めて岩場をウロウロし始めます。イセエビ漁はこの習性を活かして夜間に行われますが、満月の前後など明るい夜は殆ど獲れないんだそう。ちなみにイセエビが食べているのは、小さなカニやエビ、巻貝、ウニなど。

天敵と友だち
イセエビが大好きなのは人間だけではなく、なんと!タコはイセエビが大好物。イセエビがタコから逃げて穴に入り込んで隠れても、吸盤を使って引きずり出してしまいます。それでタコをエサとするウツボと共生しているイセエビも多いそう。ウツボにしてみれば、イセエビを狙って大好物のタコが近づいてくる、イセエビにしてみればウツボが自分を守ってくれる・・・お互いに利がある関係ということですね!

(アール)