1年で一番昼間が短い頃、日照時間が短い頃にあたるのが冬至です。冬至の日から、昼間の時間がのびていくということで、昔はこの日を1年の始まりとしたそうです。この日を境に…となると、いろいろと縁起を担ぐ風習や習慣もうまれます。
「ん」で運を呼び込む?
例えば「ん」がつく食べ物。ナンキン(かぼちゃ)、レンコン、ニンジン、ギンナンなど、「ん」を「運」に見立て、1年のスタートに運がつくように願をかけたとか。
ゆず湯
冬至といえば、まずゆず湯を思い浮かべる方も多いのでは。冬至と湯治(とうじ)の語呂合わせからとも言われていますが、1年の始まりの日にゆずを浮かべたお湯で体を清める意味もあったそうです。香りもよくリラックスしながらゆっくりお風呂に浸かってしっかり温まるだけで、気持ちが元気になれそうですよね。
実のなる…
よく似ているけれど実の付く位置が違う千両と万両。もこもこっと丸い実がてっぺんに付いているのが千両で、実が一つ一つぶら下がっているのが万両。ちなみに南天(なんてん)も赤くて丸い小さな実が付きます。いずれもお正月飾りに欠かせない縁起物の植物です。
お正月
冬至の末候にあたる頃、お正月を迎えます。お盆とお正月の年に2度、健康や豊作を願い、収穫に感謝をしたり、ご先祖様や神社に挨拶したりといった習慣がずっと続いています。四季や十二月(じゅうにつき)、二十四節気、七十二候に行われる行事や儀式は、もちろんその時代に合ったスタイルに変化はしているけれど、日本の季節や文化を身近に感じることができますね。
こんにちは、アールです。【暦のコト】として二十四節気をテーマにコラムを書いて1年が経ちました。知らなかったことが多くて、とても興味深かったです。祖母や母が言ってたことを思い出して懐かしくなったり、文献を調べるときは、面白くてしょっちゅう脱線してしまいましたが、日本の文化がとっても自然に寄り添った文化であることを改めて知るきっかけになりました。暦のコト、1年間お付き合いいただきありがとうございました。