【月や太陽だけじゃない】星の「食」を観てみよう!

皆さんは「星食」ってご存知ですか?日食や月食ほどメジャーではないけれど、7月25日の「水星食」、10月10日にあった「アルデバラン食」など、星が月に隠される現象のことです。今回は11月11日~12日にかけておこる「レグルス食」についてお伝えしたいと思います。

■レグルスってどこにある?

レグルスはしし座の胸元あたりで白く輝いている一等星。しし座は春の星座ですが、今の時期は真夜中の時間帯に東の空へと現れます。レグルスとは「王」という意味で、古代ローマの時代から「王の星」と呼ばれたそうです。獅子(しし=ライオン)と言えば百獣の王。しし座の胸元に光る星にふさわしいですよね。

ギリシャ神話によると、英雄・ヘラクレスの最初の冒険で退治されたライオンが天に昇って星座となった…らしいですが、ヘラクレスはこの他にもかに座やいて座など、十二星座のいくつかと深いかかわりをもつようです。

■入るのを見るのは難しいけど…

さて「レグルス食」。下記図をご覧いただけるとおわかりのように「食の始め=潜入」の瞬間は地平線より下で起こるため北海道の一部の地域以外では、残念ながら観ることはできません。また、地方によっては食そのものが観られないところも…
札幌・仙台・東京・京都などでは、空に昇り始めた月の向こうからレグルスが見え始める「出現」を観る事ができそうです。

■日本国内のおもな地点におけるレグルス食の予報時刻と高度


(画像:国立天文台HP)

星の「食」。「食」といえば、月や太陽に地球の影がうつっている状態で観ていますが、今回は地球から“月の陰に隠れた星を観る”というもの。月も、見えていない部分があって、ちゃんと存在している…理屈でも知識でもわかっていても、それを体感できる貴重な機会を、ぜひお見逃しなく! 星の食は小さいので、双眼鏡や天体望遠鏡があるとよいですよ。


「星の食」。なかなか観る機会というか、身近ではないかもしれませんが、空では、それこそ色々なことが起きているんだな~と改めて思います。太陽・月の食は知ってると!という方、その中に「星」も追加なさっても面白いかもしれません。