2014年9月27日の午前11時52分頃、長野県と岐阜県の県境に位置する御嶽山で、水蒸気噴火が発生。多数の噴石が飛散したほか、火砕流は南西側の斜面を3km以上も流下、噴煙の高さは最大7,000mにまで達しました。
なぜ被害が拡大したのか?
この噴火による人的被害は、死者57名、行方不明者6名、負傷者69名(2014年10月23日現在)。火山災害においては、戦後最悪の死者数を記録しています。
御嶽山は過去にも何度か噴火しており、その中でも1979年10月28日早朝の噴火は、2014年の噴火と同規模のものでした。しかし、前者では1名の死者も出ていません。2014年の噴火では、なぜここまで人的被害が拡大したのでしょうか。
それは紅葉が見頃となる9月下旬、しかも正午近くに噴火したからだと言われています。多くの登山者が御嶽山を訪れるのが、その時季のその時間だったのです。さらに、噴火の予知が困難な水蒸気噴火であったため、噴火前に警報が発表されず、噴火時の噴火警戒レベルも1(活火山であることに留意)のままでした。それら複数の要因が重なり、多数の人的被害が発生してしまったのです。
御嶽山の観光は可能?
2015年6月26日、御嶽山の噴火警戒レベルは、3(入山規制)から2(火口周辺規制)に引き下げられました。現在、火口周辺の約1km以内に立ち入ることはできず、一部の登山道は閉鎖されているものの、入山することは可能です。また、鉄道や道路、観光施設などは規制されていません。火口周辺を避ければ問題なく観光できますが、もしも入山する場合は、念のため火山活動の状況を確認するようにしましょう。
毎年9月下旬から10月上旬にかけて、御嶽山の紅葉は見頃を迎える。
※参考資料
気象庁:御嶽山の活動状況
http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/activity_info/312.html
国土交通省:御嶽山の噴火による被害状況等について
http://www.mlit.go.jp/saigai/saigai_140927.html
産経ニュース:御嶽山噴火 予知難しい水蒸気爆発 79年と類似、被害に差
http://www.sankei.com/affairs/news/141006/afr1410060060-n1.html
内閣府:平成26年9月の御嶽山噴火 概要
http://www.bousai.go.jp/kazan/suishinworking/pdf/20141201siryo1.pdf
長野県
https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/ontake.html
長野県木曽町
http://www.town-kiso.com/bousai/bousai/100206/100208/
木曽路.com
http://www.kisoji.com
木曽町観光協会
http://www.kankou-kiso.com/index.html