東日本大震災以降、津波の発生状況は?

海底地震により地殻が変動すると、海面にも影響が及んで津波が発生します。東日本大震災を引き起こした東北地方太平洋沖地震の際、岩手県では最大8.5m以上、宮城県では最大8.6m以上、福島県に至っては最大9.3m以上の津波が観測されました。その後も日本では、地震が頻発しています。それに伴って、津波も観測されているのでしょうか。

東北地方太平洋沖地震の余震による津波

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震以降、日本国内において1mを超える津波は観測されていません。とはいえ、小規模な津波は幾度も観測されており、それらの大半は東北地方太平洋沖地震の余震によるものです。

2011年7月10日には最大12cm(宮城県)、2012年3月14日には最大21cm(青森県)、同年12月7日には最大98cm(宮城県)、2013年10月26日には最大36cm(宮城県)、2014年7月12日には最大17cm(宮城県)、2015年2月17日には最大20cm(岩手県)、同年5月3日には最大50cm(伊豆諸島)の津波が観測されました。どれも東北地方太平洋沖地震による津波と比較すれば小規模ですが、もちろん危険は伴います。事実、気象庁は最大20cm以上の津波が予想される場合、津波注意報を発表しているのです。

海外で発生した地震の影響

日本付近で発生した地震だけではなく、遠く離れた地で発生した地震による津波も、日本に伝播するおそれがあります。2012年8月31日、西太平洋に位置するフィリピン諸島で発生した地震は、最大50cm(伊豆諸島)の津波をもたらしました。2013年2月6日、南太平洋に位置するサンタクルーズ諸島で発生した地震も、最大50cm(伊豆諸島)の津波をもたらしています。2014年4月2日、南アメリカ大陸の南西部に位置するチリの沿岸で発生した地震でも、最大55cm(岩手県)の津波が観測されているのです。

特に海岸付近に住んでいる方は、海外で大規模な地震が発生した際にも、気象庁が発表する津波情報を確認するようにしましょう。

津波による被害を防ぐには?

津波は建造物の損壊を引き起こすだけではなく、漁業や農業などにも深刻な被害をもたらします。また、防災意識の低さや避難の遅延により、命を落とす方も少なくありません。そのような被害を防ぐため、津波堤防や防波堤、水門などの防災施設が設置されているものの、それらを過信していると思わぬ被害に遭ってしまいます。自身や家族を守るためにも、平時に以下の項目を確認しておきましょう。

 

・津波ハザードマップで危険地域を確認

・避難場所の確認

・避難経路の確認

・道路が冠水した際の迂回路の確認

・要援護者の避難方法の確認

 

地震の発生後、津波の発生も予想される場合は、即座に避難する必要があります。その際、山際や急傾斜地は土砂災害のおそれもあるため、十分に注意しましょう。

 

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写真提供:一般財団法人 消防科学総合センター(http://www.isad.or.jp/

東日本大震災の際、津波の被害を受けた市街地(岩手県山田町)

 

※参考資料

 

気象庁:発表した津波警報・注意報の検証

http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/tsunamihyoka/index.html

 

気象庁:大津波警報・津波警報・津波注意報、津波情報発表履歴

http://www.jma.go.jp/jp/tsunami/list.html

 

気象庁:津波について

http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq26.html#tsunami_3

 

tenki.jp:津波情報

http://www.tenki.jp/bousai/tsunami/

 

国土交通省:津波防災のために

http://www.mlit.go.jp/river/kaigan/main/kaigandukuri/tsunamibousai/index.html

 

東京都:津波対策チェックリスト

http://www.bousai.metro.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/000/411/tsunami_02.pdf