ゲリラ豪雨の顕著な事例

気象庁の予報用語リストに入っていないことから、ゲリラ豪雨の定義は非常に曖昧ではあるものの、一般的には短時間だけ降る局地的大雨を指すと言われています。その雨量は1時間あたり100mmを超える場合もあるため、浸水害や土砂災害が発生することも珍しくありません。ゲリラ豪雨に見舞われた地域は、一体どのような状況に陥るのでしょうか。

平成20年8月末豪雨による被害

2008年8月26日から同月31日にかけて、本州や四国の各地でゲリラ豪雨が発生(平成20年8月末豪雨)。当時、浸透しつつあったゲリラ豪雨という用語は、これも契機にして一気に広まり、同年12月に発表された「ユーキャン新語・流行語大賞」ではトップテンに選出されています。

平成20年8月末豪雨の雨量は非常に多く、愛知県岡崎市では146.5mm(8月29日)、同県一宮市では120mm(8月28日)、千葉県我孫子市では105mm(8月30日)を記録(いずれも1時間雨量)。これらを含む全21箇所の地点では、1時間雨量の記録を更新する雨量が観測されています。

急激な雨量の増加は人的被害をもたらすこととなり、愛知県岡崎市において2名の命が犠牲となりました。また、東京都や神奈川県、栃木県、広島県を中心とする全221箇所の地点で崖崩れが発生。多数の住家も被害を受けており、全半壊は13棟、床上浸水は3,106棟、床下浸水は19,354棟にも上っています。

ゲリラ豪雨から身を守るには?

発達した積乱雲によりもたらされるゲリラ豪雨。その発生日時や発生場所を正確に予測することは、現在の技術では困難です。そのため、ゲリラ豪雨による被害を未然に防ぐには、気象庁が発表する防災気象情報をまめに確認するしかありません。

たとえ大雨警報や大雨注意報が発表されていなくても、突然周囲が暗くなったり、雷が鳴り始めた場合には、発達した積乱雲が近付いていることも予想されるため、十分な注意が必要です。屋外にいる際は、雨水が流入しやすいアンダーパス、氾濫のおそれがある河川、各都道府県が公開している土砂災害危険箇所などには、絶対に近寄らないようにしましょう。

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※参考資料

 

気象庁:災害時気象速報 平成20年8月末豪雨

http://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/saigaiji/saigaiji_200803.pdf

 

気象庁:局地的大雨から身を守るために

http://www.jma.go.jp/jma/kishou/info/ooametebiki_main.pdf

 

内閣府:大雨災害における市町村の主な取組事例集

http://www.bousai.go.jp/oukyu/taisaku/hinannoarikata/pdf/shiryou9.pdf

 

国土交通省:平成20年8月末豪雨による被害状況等について

http://www.mlit.go.jp/common/000041312.pdf