世界にある活火山の総数は、約1,500ほど。火山列島とも呼ばれる日本には、そのうち約1割が集中しています。しかし逆に考えれば、残り9割の活火山は外国にあるのです。そのため日本以外でも、火山の噴火による被害は多数発生してきました。
噴火により消えた古代都市
過去に発生した火山の噴火の中で、最も知られているのは、イタリア(当時はローマ帝国)にあるヴェスヴィオ山の噴火でしょう。79年8月24日に同山が噴火した際、ポンペイやヘルクラネウムなど複数の町が、火山灰や火砕流の下に埋もれてしまったのです。住民たちも一瞬にして生き埋めになり、その死者はポンペイだけでも約2,000人に上ると言われています。
それらの町の本格的な発掘調査が開始されたのは、ヴェスヴィオ山の噴火後、約1,700年が過ぎてから。現在その遺跡は、1997年に世界文化遺産に登録されたこともあり、過去の悲劇を伝える観光地として賑わっています。
最大の被害をもたらした噴火は?
20世紀以降、最大の被害をもたらした火山の噴火は、西インド諸島にあるプレー山(フランス領)の噴火だと言われています。同山では1902年4月25日から噴火活動が始まり、翌月8日には大規模な噴火が発生しました。プレー山の南にある町、サン・ピエールは、火山灰や火砕流により全滅。生存した住民はわずか3人だけであり、残りの約30,000人は全員、命を落としたと言われています。
もちろん21世紀以降も、世界各国にあるさまざまな火山が噴火してきました。2015年に限定しても、チリのビジャリカ山やカルブコ山、インドネシアのラウン山など、多数の火山が噴火しているのです。旅行や仕事などで外国を訪れる際には、外務省が公開している「国・地域別の渡航情報」などで、あらかじめ該当地域にある火山の活動状況を確認しておく必要があるでしょう。
※リンク
外務省「国・地域別の渡航情報」