腐ったものを食べても食中毒になるとは限らない!? ~腐敗と食中毒01~

ぱっとしない空模様。入梅したというニュースを目にするようになりました。気温も高めで蒸し暑く、ジメジメした季節がやってきます。

気温と湿度が高くなってくると心配なのが食べ物の異変。この時期は食べ物がいたみやすいと言われます。いたんだものを食べると、身体にも異変がありますよね。そこで、本格的な梅雨のシーズンを迎えるにあたり、具体的にどのような点に気をつければよいかについて専門家に取材してきました。

■くさる=食中毒、は間違い!

お話を伺って最初に一番びっくりしたのがこの事実。腐ったものを食べる=食中毒だと思っていたのは私だけではないはず・・・

腐敗と食中毒は、いずれも食品の中で微生物が増殖して悪さをするという点までは似ていますが、実は別の話です。いわゆる「腐る(腐敗)」とは微生物が食品の中で増殖して食品の栄養を糧に代謝をし、別の物質を作っていくことです。その結果として腐った臭いがしたり、事実上は食べられない、もしくは食べたくないものに変化してしまうこと。食品の中で微生物が増えてなにかしら悪さをする、ということに関しては腐敗も食中毒も同じですが、何が違うかというと種類が違うんです。

「食中毒」を起こす微生物は腐敗とは違うタイプのもので、例えば見た目に腐敗のような変化が無くて異臭がしないからといって食中毒にならない、ということではありません。食中毒を起こす微生物や菌の場合、見た目や臭いでは判断ができません。

■ちなみに食中毒の原因トップ3は…

① ノロウィルス(二枚貝の中に存在する微生物)
② カンピロバクター(牛・豚・鶏の腸管内に存在する微生物)
③ アニサキス(魚介類に寄生する寄生虫)

食品そのものにいるんだったら、例えば食品として売られる前になんとかできないものなのかしら?と思いましたが、人間のお腹の中にもたくさんの微生物がいるように、動物や魚のお腹の中にも普通に微生物がいて活動している、というのは納得がいく話です。けれども微生物、見た目で判断できないとなるとどう防御すればよいのやら。

■食中毒予防の三原則を徹底!

・ 微生物を「つけない」
*他の食品からの汚染を防止
*手洗いの徹底、素手で食品を触らない
*調理器具の洗浄、消毒を徹底する

・ 微生物を「ふやさない」
* 冷蔵保存は10度以下
* 温蔵は65度以上!

・ 微生物を「やっつける」
*十分に加熱する(75度以上で60秒以上)※二枚貝は85〜90度で90秒以上

まずはこれらを徹底しましょう!もっと具体的なことについては、次回お話したいと思います。

■協力・参考:東京都 福祉保健局 健康安全研究センター
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/anzenjoho_index.html