来年のポテトチップスは大丈夫?あの現象が与えるポテトチップスダメージとは

2016年、観測史上初の「北海道に台風が3つ上陸」により、ジャガイモの産地が大打撃を受けました。その被害はすさまじく、ポテトチップスの供給に制限が出るというニュースが流れ、全国のポテトチップス大好きな人々の間で激震が走りました。
実は「北海道に台風が3つ上陸」したのは、「ラニーニャ現象」が影響していたかもしれないと言われています。
「エルニーニョ」と「ラニーニャ」。言葉は知っているけれど、どんな状況だっけ?…今回はこの現象についてお話したいと思います。


■ラニーニャ現象、エルニーニョ現象とは?

◆ラニーニャ現象とは
太平洋赤道域の日付変更線付近から南米の沿岸にかけて海面水温が平年より低くなり、その状態が1年程度続く現象です。

◆エルニーニョ現象とは
太平洋赤道域の日付変更線付近から南米の沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象です。


■なぜラニーニャ現象、エルニーニョ現象が発生するのか?

まず、ラニーニャ現象、エルニーニョ現象を知る上で前提となる地球大気について説明します。私たちが住んでいる地球は、北半球でいうと北ほど気温が低く、南ほど気温が高くなっています。本来なら南は暑すぎて、北は寒すぎて人が住めない状態なのですが、地球上の大気が循環していることで、北でも南でもほとんどのエリアで人が住めるような温度に保たれています。この大気循環の一環で、偏西風(西風)貿易風(東風)という風があります。

エルニーニョ現象、ラニーニャ現象でポイントになるのは、貿易風(東風)です。平常時、太平洋の熱帯域では貿易風が常に吹いているため、海面付近の暖かい海水はインドネシアの方に運ばれていきます。海水も循環していて、東部の南米沖ではインドネシア付近に運ばれた分、下から冷たい海水がわきあがってくるような仕組みになっています。

◆ラニーニャ現象

ラニーニャ現象時は、貿易風が強まって、暖かい海水がインドネシアの方により多く運ばれます。インドネシア近海では、暖かい海面から水蒸気がたくさん上昇して、雲が多く発生するようになります。一方、東部の南米沖では暖かい海水が運び去られた分だけ、冷たい海水がわきあがってきます。
太平洋赤道域の日付変更線付近から南米の沿岸にかけて海面水温が平年より低くなり、その状態が1年程度続く現象が発生

◆エルニーニョ現象

エルニーニョ現象時は、貿易風が弱まり、暖かい海水が例年に比べてインドネシアの方にあまり運ばれません。これにより、積乱雲が盛んに発生する海域が平常時より東へ移ります。一方、東部の南米沖では暖かい海水があまり運び去られないため、冷たい海水もわきあがってこなくなります。
太平洋赤道域の日付変更線付近から南米の沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象が発生

一般的にラニーニャ現象が発生していると厳冬・猛暑になることが多く、エルニーニョ現象が発生すると暖冬・冷夏になることが多いです。

画像出典:気象庁



さーちゃんです。エルニーニョ現象とラニーニャ現象は数年おきに発生し、発生している期間は、異常気象が起こりやすいといわれています。現在、エルニーニョ現象として発達する明瞭な兆候は見られていませんが、普段の天気に加えて、引き続き注目していきたいと思います。