【天体観測】滅多にない観測チャンス!「カノープス」を見つけよう

1月21日・22日は国際宇宙ステーション「きぼう」が見られると話題になりました。各地域の予想通過時刻に空を見上げ「きぼう」をご覧になった方も多いのではないでしょうか。日食・月食・流星群など、天体の“なかなか見られない”現象は、天体ファンのみならず、幅広い層に人気が高いですよね。さて“なかなか見られない”といえば、この星も…日本ではなかなか見られないけれど、毎年2月頃に観測のチャンスがやってくる「カノープス」の話題をお伝えします。

カノープスはりゅうこつ座のα星でマイナス0.7等の明るさがあります。これは全天でおおいぬ座のシリウスに次いで2番目に明るい星にあたりますが、普段はなかなか見られません…というのも、カノープスは南の空の低い位置にあり、日本からはとても見つけにくい星なんです。南へ行けば行くほど見つけやすくなり、沖縄では南中高度も比較的高くなりますが、北日本では地平線より上に昇らないので、見ることができません。国内で観測できる北限は福島県北端付近となっています。

カノープスは白く輝く恒星ですが、空の低い位置に見えるため、地球の大気の影響によって実際の明るさよりも暗く赤みを帯びて見えてしまいます。本来明るい星であるにも関わらず「見つけにくい」といわれるのは、こうした条件も影響しています。

ちなみに中国では、カノープスを「南極老人星(なんきょくろうじんせい)」と呼んでいて、カノープスを見ると寿命が延びる、なんて伝説があるそうですよ。

2月は夜更け前に南中するので、滅多にないカノープス観察のチャンスです。よく晴れた夜、南の空が開けた場所で冬の大三角やおおいぬ座のシリウスを目印に、カノープスを探してみてはいかがでしょう?

(アール)