全長634メートル、地上350メートルの展望台から景色を観るとなれば、そりゃあ晴れたほうが良いに決まってる!けれど、いつもコンスタントに「眺望が良い状態」になるとは言えないのが、天気のどうしようもないところ。「眺望」が最も重要である、こうした施設でシゴトをされている方は天気をどのように見ていらっしゃるのでしょう?東武タワースカイツリー株式会社・武田圭介さん、東武タウンソラマチ株式会社・佐藤繁さんのお二人に「天気とシゴト」についてお話いただきます。
武田圭介さん
佐藤繁さん
① スカイツリーやソラマチのお仕事の中で、天気はどの程度重要ですか? 10段階評価でお願いします
武田さん:点数はつけ難いのですが、最重要事項ですね、天気というのは。あえてつけるなら9〜10になるのではないでしょうか。観光施設はどこも天気が最重要だと思いますが、スカイツリーの場合は「眺望」が一番です。例えば雨が降っていても眺望がよいときもありますし。
② 天気の何を一番、どのタイミングで知りたいですか?
佐藤さん:ソラマチでは「雨か晴れか」を知りたいです。天気に関しては私たちもかなり気を遣いますね。野外でイベントがあるときなどは特に。夏の時期はビアガーデンがありますし。
写真: (C)TOKYO-SKYTREETOWN
武田さん:スカイツリーでは、天気もそうですが風の情報を詳しく知りたいですね。エレベータの運行に影響を及ぼすからです。タイミング的には、常にということになるかもしれません。そういう意味では眺望よりも風が一番知りたい情報と言えるかもしれませんね。
③ 天気はいつどんなときにチェックしますか?
武田さん:毎日気象予報を確認します。翌日の注意報に関してとか、天気に関しては雨か晴れかというのもそうですが、風も営業に大きく影響しますので、専門家から詳細な情報を取り寄せています。
以前は風が強いと営業を中止にせざるを得ないこともありましたが、エレベータの対策工事を行い、現在では強風でも営業を中止する事がなくなりました。
④ 天気によって苦労していること・工夫していることは?
武田さん:眺望が見えない場合でもお楽しみいただけるような取り組みもしています。大型のパノラマスクリーンを設置してスカイツリーの歴史などのコンテンツをご覧いただいたり、「東京スカイツリー(R)VR」では窓ガラスの清掃作業員になってゴンドラに乗った雰囲気をお楽しみいただけます。
今年の5月には6周年を記念した新サービスとしてガイドアプリの配信もスタートしました。天候が不良でも、展望スポットが表示されたりする多言語対応のアプリでご好評いただいております。
佐藤さん:高層階のレストランなど、例えば台風の後にいらっしゃると、それは素晴らしい眺望なんですよ。眺望という意味では、空気が澄んでいる冬の晴れたときがベストですね。富士山も見えますし、間近で見るスカイツリーと富士山のコラボレーションもご覧いただけます。
武田さん:ダイヤモンド富士の日、名月のイベントとして観賞会もありますし、初日の出も。この高さからしか観られない、世界随一の景観がたくさんあるんです。
(C)TOKYO-SKYTREE
(C)TOKYO-SKYTREE
⑤ 今までで一番「天気」に悩まされたのは?
佐藤さん:去年の隅田川花火大会のときは大変でした。ビアガーデンの営業中に途中で雨が降ってきたので、急遽社員全員で軒下に席を移動してお客様を誘導しました。花火大会が順延になると仕込みも大変ですね。
武田さん:スカイツリーは、以前は強風の日ですね。先ほどお話しましたように現在は大丈夫です。隅田川花火大会の日についてはゲリラ豪雨です。花火大会が開催されるのか否か、特別営業にも影響しますし、お客様のことを考えると、ですね。
確かに観光施設はかなりお天気に左右されますね。それでも「今日来てくださった方に精一杯のおもてなしを」と、さまざまな工夫をされていることがよくわかりました。ちなみに地上から地上350mの展望台へのエレベータは4基あり、四季をテーマに内装が違うんです。眺望不良のしか見られないコンテンツにも興味津々!ちょっと通ってしまいたくなってしまいました。武田さん、佐藤さん、ありがとうございました。
取材協力:東武タワースカイツリー株式会社・武田圭介さん
東武タウンソラマチ株式会社・佐藤繁さん
http://www.tokyo-solamachi.jp/
(アール)