空気が澄んだ冬の空は星の観察に適しているといえますが、2月は普段はなかなか見られない、ある星を観察する絶好のチャンスでもあるんです。その星とは・・・「カノープス」。
★カノープスってどんな星?
カノープスはりゅうこつ座のα星で、太陽を除くとシリウスに次いで2番目に明るい恒星です。なぜこんなに明るい星なのに「普段はなかなか見られない」のでしょう?
カノープスは南の空の低い位置にあるため、日本の多くの地域ではとても見つけにくいのです。また、見ることができたとしても空の低い位置で赤みを帯びた色に減光し、シリウスに次いで明るい…状態で見えないから。
ちなみに、北日本では地平線よりは上に昇ることがなく見ることが不可能で、福島県北部付近の方がかろうじて見つけられる北限とのこと。南にいくほど比較的見つけやすくなり、沖縄県の那覇では南中高度(南の空で一番高くなるときの高さ)が10度以上になります。
(画像:国立天文台HP)
★観測のコツは?
晴れた夜、南の空が開けた場所で、空を見上げてみましょう。南中時刻に近いほうが見つけやすいので、下記の時刻表を参考にしてみてください。カノープスは冬の大三角やシリウス(おおいぬ座)を目印に探すと、見つけやすいです。
<主な場所での南中高度と時刻>
★「長寿」のご利益あり?
地上すれすれの位置で、赤く光るカノープスには、七福神の「寿老人」に例えられたとして「南極老人星」という別の呼び名があります。中国では「カノープスを見ると長生きする」という伝説もあるとか。防寒対策をしっかりして、夜空を見上げてみてください。
(アール)