【暦のコト】霜は降(ふ)らずに降(お)りるもの!?

二十四節気の霜降(そうこう)は、朝晩冷え込んで霜がおりる時期のことで秋の締めくくりです。「寒くなったね」という言葉が交わされて、朝起きるのがちょっと辛い、なんて方もいらっしゃるかもしれないですね。

■霜がおりる、ってどんなとき?

雪や雨は「降る(ふる)」ですが、霜は「おりる」。
気象庁のホームページ「霜に関する用語」の欄を見ても

「霜が降る」× → 「霜がおりる」
「霜がある」× → 「霜がおりる」

これが、いわゆる「天気予報などで用いる表現」となっています。これは霜のなりたちに関連するのですが、それはまた別の機会に。

ではどんな条件の時に「霜がおりる」のでしょう?

*気温が4℃以下であること
0℃じゃないのはなぜ?
…気温は地上150cm程度のところで計測されているので「気温4℃」だと地面付近はもっと低い可能性があるため。

*風が弱いこと
風が吹いているほうが寒そうなのに?
…風が空気をかき回す役目をになって、地面付近の気温を氷点下になりにくくすることがあるため。

*前夜の天気が晴れであること
天気が良いと気温が高いのでは?
…雲があると蓋の役割をしてくれて暖かい空気が逃げない…つまり「蓋がない晴れた日は暖かい空気が逃げていくので冷える」。いわゆる「放射冷却」です。

*湿度が高いこと
なるほど!
…霜は水分の結晶です。空気中の水分が多くないとできにくい、というのは納得です。

■「後の月(のちのつき)」を愛でる

中秋の名月は旧暦8月15日でしたが、旧暦9月13日に「後の月」として十三夜(じゅうさんや)」を鑑賞する習わしがあったそうです。収穫の秋らしく、この月は「栗名月」「豆名月」とも呼ばれています。中秋の名月と同じように、団子やすすきを供えたり、この時期に収穫した農作物などを供えたり。秋の実りに感謝して月を愛でるのも、日本らしい風習ですよね。

 


こんにちは、アールです。「十三夜」のミステリアスな語感には、心惹かれるものがあります。どんな月でも美しいと思える心のゆとりを持ちたいな~なんて思う今日この頃。古(いにしえ)の人たちも観ていた星や月、今もきっとそれほど変わりなく見えていると思うとなんだか不思議な気持ちになりますね。