アルビレオ(Albireo)
アルビレオ(Albireo)は、はくちょう座の3等星です。はくちょうのくちばしにあたる星で、尻尾にあたる1等星のデネブから点々とつらなる星の列をたどっていくと、ちょうどベガとアルタイルを結ぶ線の内側あたりにアルビレオを見つけることができます。このアルビレオは肉眼で見るとひとつの星にしか見えませんが、望遠鏡を使って眺めると黄と青のきれいなふたつの星に分かれて見えます。このように望遠鏡を使うとふたつ以上の星に分かれて見える星を重星と言いますが、アルビレオは代表的な重星のひとつです。宮沢賢治はその作品「銀河鉄道の夜」の中でこの星のペアの色の対比を宝石のトパーズとサファイアに例えましたが、確かにそのような見え味がします。最近の研究では、このふたつの星は偶然に同じ方向に見えるだけではなく、互いに重力的に束縛し合った連星系であるとも言われています。
credit: Hewholooks
アルビレオを望遠鏡で拡大して撮影したもの